



「日本の医療の山と谷を」と題する日野原重明先生の講演を聴いた後、直接お目にかかることができました。
日本のインターネット・インフラ技術基盤の形成に貢献した株式会社インターネット総合研究所の10周年を記念したセミナー「インターネット時代の医療と教育を考えるシンポジウム」に参加。
基調講演で聖路加国際病院理事長の日野原重明先生の講演を聴き、パーティーで直接接する機会をもったのですが、先生のお元気な姿と、日本の医療制度に対する危機意識を背景とした改革への情熱的な姿勢ににあらためて敬服の念を覚えた次第です。
これまでの日本の医療改革議論では、経済論的視点での議論偏重のように受け止められますが、先生の視点はシンポジウムの主題に沿って、医療制度を支える医療体制の質を上げるための教育、特に欧米の医学教育とのレベルの差を中心にした話があり、医療を受ける立場での日本の医療の問題の大きさを認識することとなりました。
講演の中で強く訴えられたことのポイントは2点です。
まず、現在の4年の基礎教育と2年の研修制度、および現在の医学生の学びの意識環境では本来の医療を支えることができないという立場の話です。
米国のように先ず社会人としての4年間の教養を経て、基礎知識と実習機会のための4年間、さらに臨床実践のための3年間の研修期間が医学教育として必要と強調され、このための法制度の制定を目にするまで134歳まで頑張るつもりだとの強烈なメッセージがあり、感銘を受けました。
また、現在の医療では多くの診断装置などにより、殆どが医師の診断をしなくとも機械が診断をするような状態では、医師の役割は患者さんとのコミュニケーション力が大変重要になるとのこと。患者さんとできるだけ接触時間を増やし、名前を覚えて会話の中で患者さんの立場や心情を察しながら、診断の結果を正確に伝え、それから後の治療方法よく納得してもらうまで説明するといくことが、今の医療の中では根本的に欠けており、このために医師にはその技量としてのLiberal Artを教養課程の4年間で学ばなければならないことを力説されていたのが、印象的です。
これまでの医療技術を超えた人間学としてのこのような問題提起は、日野原先生の面目躍如といったところでしょう。
ちなみに、先生の平均睡眠時間は3時間程度との話ですが、その日は4時半に寝て、7時半には仕事に
就かれていたとのこと。これで1時間の講演の後でも眠そうなお姿も見せられずにおられた姿には驚きを感じました。これは常人のアンチエイジングにはご法度のことなのですが、先生のお持ちの使命感が、これを凌駕しているのだとも思えた次第です。
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