2007年12月04日 13:33ヒトの皮膚から幹細胞(ES細胞)と同等の全能性を持つ「万能細胞」
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再生医療は今後のアンチエイジング医学分野では切り札ともいえる存在で、大きな注目を集めている分野ともいえます。

先週各メディアで大きく取り上げられたニュースでは、京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授と、
米ウィスコンシン大学マディソン校ジェームズ・トムソン博士の研究グループが、奇しくも同じタイミングで、ヒトの皮膚から胚性幹細胞(ES細胞)と同等の全能性を持つ「万能細胞」をつくり出すことに成功したとの研究発表が、日本と米国両国でそれぞれ別々にあったことが伝えられました。

10年前英国のクローン羊ドリーの誕生を公表して世界を驚かせたことを皮切りに、先端医療分野の最前線の研究として各種の再生医療の研究成果が生まれ、注目を浴びる中で、科学と倫理の両面でも議論の多いテーマでもありました。
これらの議論の中で、クローン羊がそうであったように、生き物としてのあらたな生命体を人工的につくることへの倫理的観点での問題点や、癌のような異常な組織になることへの懸念などが取り上げられてきていました。

通常成長した生物の細胞は特定の役割しかできないように機能が限定され、分裂増殖しても他の細胞にはならない、つまり皮膚の細胞からは同じ皮膚のクローンしか作れないという制約がありますが、分裂増殖によって別の機能を持つ細胞になることができる細胞、俗に万能細胞と呼ばれる幹細胞(かんさいぼう)を使う研究に注目が集まっていました。

しかし、この幹細胞(正確にはヒトの胚性幹細胞:ES細胞とも呼ぶ)を使う技術も、授精した胚(受精卵)
から取り出すときに授精した胚(初期の赤ちゃんとも言える)を殺したり傷つけたりしてしまう可能性があ
ることから、この適用についても、クローン問題とはまた違った観点での倫理上の問題として取り上げら
れ、各国でも新たな議論の的にもなってきていました。

今回は、ヒトの皮膚から胚性幹細胞(ES細胞)と同等の全能性を持つ「万能細胞」をつくり出すことに成
功したものであり、ヒトの胚を破壊せずにES細胞と同等の全能性細胞が得られるため、倫理的な論争の的にならずに再生医療への道が開かれる可能性が高いとして、世界各国で大きな賛辞を集めているものです。

また、クローン羊をつくったスコットランドの研究者イアン・ウィルマットは、この研究成果を知り、英紙デーリー・テレグラフに対し、彼が進めていたヒト・クローン胚の研究を断念したとのニュースも同時に伝えられていますが、再生医療分野は極めて早いスピードで進んでいることの証でもあるでしょう。

ロング

投稿者:長野 重美 at 1:33 PM | Comments(0) | TrackBack

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