2008年06月21日 09:45離農と農業レボリューション 北海道から vol.1 ウルグアイ・ラウンドと農業というビジネス
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北海道に旅をしてきた原です。北海道の初夏は九州出身の原としてはまだまだ肌寒い20度前後。北海道の若い人達は、ちょっと寒くても半そでのサマースタイル。短い夏を存分に楽しむという精神なのだそうです。子供のころから薄着に育てられているのでしょうね。寒いからと言ってむやみやたらにたくさん着せないヨーロッパ人のお母さんたちを思い出しました。そうやって寒さに対する免疫を強くするらしいのです。
SANY0030
※美しい美瑛の丘


さて、北海道は、海の幸ももちろんおいしいのですが、ジャガイモ、小麦、お米、等をはじめとした農産物も有名です。また、すばらしい自然環境を生かしながら、大規模で生産性も高い農業が特徴で、日本最大の食料基地となっています。

1990年前後に行われたウルグアイラウンド交渉の結果、農産物の貿易自由化が促進されて以来、日本の農業を守ってくれるものは農産物の競争力以外にはなくなってしまい、日本の農家は厳しい現実にさらされてやめていく人々が増え、今も同じような現状にあります。農業が主産業である北海道でも現状は深刻で、農業戸数は年々減少しているとのこと。。

アスパラ(和田農園)
※にょっきり、アスパラ有機だけどおいしいぃ

さらに、そのような国際情勢と農業政策の政策不備に追い討ちをかけるように、オーガニックや低農薬の野菜が付加価値をつけてきているという状況でも、その波に乗り切れない農家の事情があります。
和田農場(ジャガイモ)
※売り先が8割以上決まっているという和田農園のジャガイモ

食料自給率の低下が叫ばれて久しいこのごろ、どうしてそのような状況になっているか、どうしてその離農現象を止められないのかを農業初心者である原の視点から北海道の有機栽培を通してみてみます。
トマト(大塚農園)
※食べたことない味。アート作品のようなトマト。

普通ビジネスは
  1.企画する
  2.投資家などから資金調達する
  3.ビジネス展開
  4.利益配分

というサイクルなのですが、農家のビジネスというのはなんとも持続するのに力と財力のかかる厄介なものです。

農業ビジネス
  1.土をつくる(土地・肥料・ハウス・水利施設)
  2.苗を買う
  3.作物を育てる
  4.収穫・出荷
  5.収益

大きな違いは一言で言うと、

 リスク

ビジネスは、失敗する危険性を回避しながらも、一人では集めきれないお金を集めて、一人では到達できない大きなビジネスを展開し、一人では得られない利益を上げることが可能です。逆に言うと、ビジネスは一人では抱えきれない失敗するリスクをいろんなところで分担しながら作り上げていくことができるということになります。
トマト(大塚農園)
※大塚ファームのトマト 社長自ら水耕栽培施設をつくり、足腰の弱いお母さんでも楽に収穫できるようデザインしてあり、農家のQOLにも気づかう。

一方、農業ビジネスは
  1.土をつくる(土地・肥料・ハウス・水利施設)→土地代は農家の資産
  2.苗を買う→農家が買う
  3.作物を育てる→気象や自然条件で不安
  4.収穫・出荷→作物の値段は不作・豊作、先物価格などの相場に大きく左右される
  5.収益→ここでやっと、報いられる

という、なんとも不条理な話ではありませんか?
こんな不安な状況で農薬を減らしおいしい野菜をそれでも作っていくということは神業に等しく、土壌に必要な最低限の化学肥料や農薬の使い方の行政指導があるにもかかわらず、おいしさと安定した収穫(虫や天気の害に強い)を得るために必要以上に農薬を使ってしまうという悪循環が出来上がっています。
カモミール(大塚農園)
※田んぼの畦にはカモミール、ペパーミントなどの香りの強いハーブを植えて害虫を追い払います。

食料自給率の問題は、

「みんな帰農しよう!」

というだけの問題ではなく、政治的、経済的(農産物市場・ビジネスの枠組み)などの根本からの改革が必要な局面にきているというのが現状なのです。国際社会で食料自給率が低い国でいるということは、そういったことを意味するのではないでしょうか。

自分に何が出来るかを一人ひとりが意識してみることから事始・・ですね。
ノボリフジ(和田農場)
※北海道のあちらこちらにノボリフジ。美。

さてさて、ちょっとシビアな内容になってしまいましたが、次回はそんな北海道でもこんな若者が頑張ってます!というお話です。


★訪問農家・参考資料

和田農園(十勝) 和田社長
http://www.apron-co.jp/wada.html
オーガニック新篠津 大塚ファーム 大塚社長
http://homepage3.nifty.com/shinshinotsu/index.html
社団法人北海道農業担い手育成センター
http://ninaite.or.jp/index.html

投稿者:原 由祐子 at 9:45 AM | Comments(0) | TrackBack

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